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  • 未完の天才 南方熊楠

  • (講談社現代新書)
  • 著者: 志村 真幸
  • ナレーター: 佐田 直啓
  • 再生時間: 6 時間 19 分
  • 4.5 out of 5 stars (8件のカスタマーレビュー)

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未完の天才 南方熊楠

著者: 志村 真幸
ナレーター: 佐田 直啓
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あらすじ・解説

なぜ熊楠は完成を嫌ったのか? 驚くべき才能を多方面に発揮しながら、 その仕事のほとんどが未完に終わった南方熊楠。 最新の研究成果や新発見資料をとりあげながら、 熊楠の生涯を辿り、 その「天才性」と「未完性」の謎に迫る! <熊楠をめぐる13の謎> ・十数年前にとったノートの内容をそらで思い出せる記憶力 ・51篇も論考を発表していた「ネイチャー」への投稿を中止 ・渡英後、熱中していた植物学の研究を停止 ・大英博物館に迎えられてから、何をしていたのか ・語学の天才・熊楠の勉強法とは? ・「エコロジーの先駆者」だが、数年でフェードアウト ・なぜ「希少な生物」だけでなく「ありふれた植物」も守ろうとしたのか ・「人類史上、もっとも文字を書いた男」と呼ばれる理由 ・どうして一度も定職に就かなかったのか ・ともに民俗学の礎を築いた柳田国男と喧嘩別れ ・変形菌(粘菌)の新種は発表したが、キノコの新種は未発表 ・なぜ夢の研究を長年続けたのか ・集大成となるような本を、どうして出版しなかったのか
©志村 真幸 (P)2023 Audible, Inc.

未完の天才 南方熊楠に寄せられたリスナーの声

総合評価
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ナレーション
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能力的にも金銭的にもこんなふうに自由に学問できたら最高だろうなぁ

熊楠のつかみにくさと豊かさの両方が概観できるありがたい一冊でした。同時代の牧野富太郎や柳田國男との交流(&うまくいかなさ)エピソードもおもしろかったです。
熊楠が朝ドラかマンガの主人公になる日も近い気がします

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止まらない熊楠愛といらだち

本書を聴いた一番の感想としては、南方熊楠をどこまで知っていて、何を知りたいのかによって気にいるかどうかが分かれるだろう、と言うことだった。自分としては、博覧強記で昭和天皇に標本をお見せしたことを知っていて、ロンドン時代の生活が描かれたミステリーを読んだぐらいだったので、熊楠の関心領域を知ることができて、とても面白かった。

特に人物交流は興味深い。先に紹介したミステリーでも孫文と邂逅していることを知って驚いたのだが、牧野富太郎、柳田國男まで登場するとは。

神社合祀のことや、比較民俗学の論考についてもほぼ初耳であり興味深く聴くことができた。

ただ、著者の熊楠愛が強すぎるのか、あるいは立場上やむを得ないのか、熊楠の行動、思考の全てを「良いように」解釈しすぎである。それはちょっと言い過ぎだろう、と言う点と話が飛躍しすぎる点が散見される。

かと思うと「愛」というオブラートに包んだいらだちというか批判(らしきもの)が見え隠れする。それがまた本書記述の一貫性を欠いている印象を受けることにつながっている。

どちらかに統一するか、熊楠の関心領域と人物相関とを客観的に紹介してもらった方が良かった。


さてここからは本書を聴いた上での「南方熊楠」への感想である。

どう聴いても「熱しやすく冷めやすいちょっと意固地でプライド高い研究オタク」にしか見えなかった。
そして「巨大なデータベース」でもある。データベースに関しては本書後半で著者も触れてはいるが、そんな人物がもてはやされたのは、当時に巨大なデータベースがなかったからではないのか。

巨大なデータベースはいつの時代でもありがたがられるものである。Wikipediaの使われ方を見れば納得していただけるだろう。
そして熊楠が各研究領域で結論を出さなかった理由もこれでわかる。
「データベースは結論を出せない」のである。

一部の人にしか通用しない冗談はさておき、本書は「未完」を切り口として熊楠とその研究を紹介している。
これにもちょっとだけ言いたいことがある。
全ての研究に完成は無いのである。中世の哲学者たちじゃあるまいし、何かがわかれば全てが理解できる、などということは存在しない。

論文書けば完成では無いのである。

とは言え、本書からもらった知的興奮は楽しいものだった。
かなりバイアスがかかっていることを意識しながら聴いていただくと良いだろう。

ナレーションもとても聴きやすい。一部に漢字の読み間違いらしきものがあった(従弟は「じゅうてい」ではなく「いとこ」で良いと思う)が、目くじらを立てるほどではあるまい。

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熊楠の視点

神社林の保護の重要性にはやくに気付いていたという点が素晴らしいと感じた。
身の回りの自然に興味をもって関わることで得た視座なのだろうか。

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南方熊楠の印象何変わった

学問に終わりがないと云うラストに頷けます。人見知りだけど見栄っ張りであったらしい人物像は初めて知りました。

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